Another

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気胸の療養をかねて東京から母の祖父母が住む夜見山に転校してきた榊原恒一は、着いた早々病気のせいで、しばらく入院することになる。
なぜか入院中に転入する予定の夜見山中学のクラス委員が見舞いにきてくれたが、以前この町に住んだ事があるかなど奇妙な質問ばかりして帰っていった。
ある日、恒一は病院地下の霊安室に向かう少女を見かける。少女が見舞いに来てくれたクラス委員と同じ制服だと気付き声をかけると、彼女は可哀相な半身に届けものがあると、謎めいた言葉を残し地下に下りていった。
ゴールデンウィーク明けに初めての登校する事になった恒一はクラスにあの少女がいる事を知る。彼女の名前は見崎鳴。なぜか古びた机に座り、クラスメイトどころか教師でさえ、彼女の事がまるで見えてないかのように授業をしていた。
この不思議な状況をクラスメイトは口を濁すか、6月まで待ってほしいと恒一に言うのだが、6月になる前に見舞いにも来てくれたクラス委員の女子が恒一の目の前で事故にあって死んでしまうと、教えてくれると言ってたクラスメイトまで口を閉ざした。
恒一は当事者である見崎の後を追い、奇妙な人形店に入る。そこで見崎から『3年3組の呪い』の話を聞くのだった。

ダリオ・アルジェント楳図かずおを足して二で割らずに掛けてしまうのが、綾辻行人の真骨頂なんだろうな。ほんと分厚い。
とはいえ長大な話にもかかわらずサクサク読めて、ちゃんと驚かしてくれる。
読み終えて、心を揺さぶる何かはなくても、嫌な景色を見せてもらえた満足感はある。
綾辻行人の作品が好きなら迷わずオススメ。

でもあまりにひぐらしが鳴く頃にを彷彿とさせる展開に最初は戸惑ってしまった。