絶望ノート

絶望ノート

絶望ノート

中学2年生、大刀川照音は、ジョン・レノン狂いの父親からジョンの息子ショーンから名前を付けられ、そのせいでクラスメートからタチションとあだ名されていた。照音は一冊のノートに絶望とタイトルをつける。そこにはクラスの人気者是永から虐め続けられる照音の日常が書き綴られていた。

歌野晶午らしい暗黒小説。
虐め描写に迫力があって、実に嫌な気持ちにさせてくれ、その虐め描写が後半に肝になってくるところは、さすが歌野作品と思わせる。ラストのダメな事にダメが重なっていく流れは鬱展開が好きな人には堪らないと思う。
ただ構成にしろ登場人物にしろどこかで読んだ事のある印象を受けてしまう。何か思い起こさせる作品があるわけじゃないから、この手の書簡形式のミステリーはどうしてもパターン化してしまうんだろうな。
湊かなえの告白があれだけ当たったから、こういった作品が多くなりそう。