退出ゲーム

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穂村千夏と幼なじみの上条春太はどちらも廃部寸前の吹奏学部の一年生。 容姿端麗、頭脳明晰のハルタは携帯に撮り溜めていた想い人の写真がクラスにばれて絶賛引き篭り中。文化祭実行委員のチカは化学室から盗まれた劇薬になる硫化銅の結晶の行方をハルタに相談するため開かずの間を開けに来た「結晶泥棒」
普門館にも出演した事もあるオーボエ奏者、成島美代子。彼女は弟を亡くした事で吹奏学から離れていた。チカとハルタは彼女に入部してもらう為に、パズル好きの弟が遺したという六面全てが白色のルービックキューブの謎に挑む「クロスキューブ」
サックス奏者のマレンはアメリカ国籍を持つ中国人、今は演劇部に所属している。ハルタと成島はマレンを誘うべく演劇部の手伝いをしていたが、ハルタと演劇部長名越の言葉の売り買いから即興劇で対決するはめになる「退出ゲーム」
生徒会長日野原からフルート練習の為の倉庫使用を条件に発明部の問題を解決する事になったチカ。原因となった発明、色の情報により思い出を夢の中で再現できるというオモイデマクラを買ったのはハルタともう一人。しかし、提出された色情報には、文字記録でしか残っていないエレファント・ブレスという色だけが書かれていた「エレファント・ブレス」

これはいいライトノベル
RPGのように部員を集める為に謎を解いていくという設定もわかりやすいし、ハルタとチカを巡る三角関係は信頼しながらも恋愛関係ではないところが効いていて、青春小説のありがちな展開を払拭している。
続編が出てるというので、是非読みたい。

個人的な事になるけど、ずいぶん前に色彩事典で知ったエレファントブレスを使って短編を書いた事があって、同じ事を思い付く事ってあるんだなと不思議な感じがした。ぼくが書いたのは色盲をテーマの短編なんで、話は全然違うんだけど。