福家警部補の再訪

福家警部補の再訪 (創元クライム・クラブ)

福家警部補の再訪 (創元クライム・クラブ)

警備会社社長の原田昭博は昔の悪事を川上直巳から強請られていた。豪華客船マックス号に川上を誘った原田は逃げられない船中で完全犯罪を企む。しかし別件で捜査していた福家が客船に紛れ込んでいた「マックス号事件」

有名脚本家藤堂昌也は辻伸彦からデビュー作の事で強請られていた。藤堂は俳優の三室勘司を別荘に呼び偽装誘拐をアリバイにして、辻を殺害する。放火された辻の自宅を不審に感じた福家は藤堂にたどり着く「失われた灯」

漫才師「山の手のぼり・くだり」の立石浩二はコンビ解消を望むも、なかなか頷かない相棒の内海珠雄に業を煮やしとうとう殺害する。現場に入った福家は玄関先のチラシに残された足跡を不審に思う「相棒」

フィギア造型師の新井信宏は、強請相手の西村浩を事故に見せ掛けて殺害する。福家は畳まれた車のサイドミラーから偽装を見破る「プロジェクトブルー」

コロンボ好きで古畑好きのせいか、文句なしに楽しめた。次作が待ち遠しくて仕方がない。

と絶賛するけど、コロンボ・古畑好きじゃないと正直楽しめないかも。
犯人の動機が強請ばかりなのも、コロンボが好きな人には、さもありなんという感じだろうけど、全く知らない読者には、もっと手を変えろよという話になるだろう。
コロンボ風の倒叙物は犯人の詰め方を楽しむから、フォーマットありきなんだけど、読む人によってはリアリティが無さすぎるとか言うんだろうな。

という訳で人に勧めるには躊躇するけど、個人的には大いに楽しめた一冊。