C3-シーキューブ-Ⅱ

C3‐シーキューブ〈2〉 (電撃文庫)

C3‐シーキューブ〈2〉 (電撃文庫)

学校に通う事になったフィア。学校帰りに理事長室に呼ばれた春亮は、春亮の父親の友人でありガスマスク姿の変人理事長世界橋からフィアの入校手続の見返りに呪われた人形を預かってほしいと頼まれる。持ち主の孫、白穂が人形のせいで精気を無くしているのではないかと疑っているのだ。了承した春亮だが、トランクの中にあるはずの人形がなぜか消え、校内で精気を抜かれたように意識を無くした生徒が保健室に運ばれていた。人形の仕業だと疑う春亮達が被服教室で見つけたのは人形のように美しい少女。少女は自らを《王権を果たす完全人形》サヴェレンティと名乗り、人間への嫌悪をあらわにする。

呪われた道具の憑き物落とし第2巻。
今回はピグマリオンじみた人形と人間の恋が呪い。どうせ報われない恋なら報われている最中に停めてしまえばいいじゃない、といった話。このシリーズは異種恋愛譚がテーマですという宣誓みたいな話だった。
でも相手の望む姿(性別)に変われるサヴェレンティは、内面は変わらず外見だけが変わるという設定だとしても、鏡面の恋人になってしまうのではと思った。異種恋愛をナルシシズムで決着してしまうみたいで、それはちょっと期待していたのと違うかなあ。勝手な話だけど。