“文学少女”と慟哭の巡礼者

“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)

付き合いはじめた心葉とななせ。ななせの急な入院を見舞うために訪れた病院で、忘れたくても忘れられなかった最愛の少女、美羽と出会う。美羽から離れられなくなる心葉。本当の美羽を見ろと責めるななせや親友の芥川。順調だった心葉の生活が不協和音に包まれるなか、冬の夜に美羽が病院からいなくなる。

カムパネルラ視点で見た銀河鉄道の夜の解釈とシリーズ中の大きな謎の一つである井上ミウの解体が見事にはまる。今まで傷付きすぐそばの絶望を感じてきた登場人物達が集められたクライマックス、天野遠子が口にする宮澤賢治の詩「雨ニモマケズ」が隠された真実を洗い流す。
今回もいつも通りに傑作。すばらしい。

次巻からは最大の謎「文学少女」に焦点が移るようだし、楽しみで仕方がない。