屋上ミサイル

屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)

屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)

アメリカ大統領がテロリストに拉致監禁され、ミサイルによる脅威を受けている東京。デザイン科の高校生・辻尾アカネは、学校の屋上で課題を済ませようとするが、根城にしていたリーゼント姿の不良・国重と言い争いになってしまう。ひょんな事から国重の友人・沢木や後輩の平原を巻き込み国重の立案で屋上部が結成、屋上の平和を乱すあらゆる事を解決することになるのだが、出てくるのはトンネルの神様、どこかで殺された人間の死体写真、ストーカーに悩まされる女子高生、ドラッグにまみれたロックバンドと千差万別。やがてその全てが繋がって…

キャラクターとセリフの掛け合いが楽しい青春小説。ご都合主義の連発で、その臆面のなさが青春賛歌というテーマと合っていて実に気持ちいい。

選評を読むと、やたら伊坂幸太郎の名前が何度も出てきて二番煎じだの何だのと言ってて、確かにそうなんだけど、伊坂作品にあるような白々しい終末感はなくて、やたらと騒々しく前向きな作品になっている。伊坂は映画作品で山下はアニメ作品にしやすいと言った方がわかりやすいかも。