新世界より

新世界より (上)

新世界より (上)

新世界より (下)

新世界より (下)

渡辺早季は日本の神栖66町に住む少女。全人学級に通う覚や瞬、真理亜とともに呪力と呼ばれる超能力の制御を習っている。町は倫理委員会と教育委員会によって運営されていて、生産は人語を解するバケネズミという獣人に担わせていた。
夏季キャンプで利根川に向かった早季達は行ってはいけないとされた上流まで足を運ぶ。そこで捕まえた見た事もない動物は、自らを自走型図書館端末機と名乗り、人類の隠された歴史を語り出す。

圧倒する世界観。詳細に紡ぎ出す人類のその後は質量とも素晴らしいの一言。

ご都合主義と捉えられかねない愧死機構も作者のこれでもかという微細な設定で納得せざるを得ない。

一気読みするにはあまりに詳細な世界設定(SFでありながらどこまでも日本的な情景)に戸惑うところもあるだろうけど、人と神、善と悪の二律背反を見事な想像力で仕立てあげられたSF冒険小説に最後の最後まで一喜一憂するはず。

これはオススメ。