無貌伝〜双児の子ら〜

無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)

無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)

ヒトデナシと呼ばれる妖が存在する世界。サーカスを追い出された少年・古村望は、ヒトデナシ・無貌に顔を奪われた名探偵・秋津こそが世間を騒がせている無貌だと推理し、脅迫といった打算を含めて会いに行くが、逆にやり込められてしまう。探偵の気まぐれで助手となった望は、無貌が関わっているらしい榎木家の事件に巻き込まれていく。

ヒトデナシと人間が共存する戦後(第3次北極戦争!)のパラレル日本を舞台に、名探偵の存在意義や古式ゆかしい本格ガジェットを盛り込んだ少年ビルドゥングスロマン小説。
とにかく、ごった煮。
なのに読みやすく面白いのが凄い。
乱歩や横溝、鮎川に高木へのオマージュともとれるミステリ観はその頃の本格ミステリが好きな人には好感が持てるのでは。
次作も読みたくなるね。