テンペスト

テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 下 花風の巻

テンペスト 下 花風の巻

珊瑚礁の王国に生まれた少女・真鶴は性を偽り宦官として王府に入り、琉球王朝繁栄のため、数々の難敵と戦っていく。


圧巻。

歴史小説でありながら、ファンタジーとして読めてしまう懐の深さが素晴らしい。

帯にノンストップ人生劇場とあるけど、確かに展開にしろ文章にしろスピードの速さは他を圧倒する。そのせいか登場人物の人生も若干軽くなりがちだけど、そうでなければ聞得大君・真牛の破天荒な人生は軽くないと読んでられないだろうなとも思う。
軽さとスピードの配合が絶妙なのだろう。
琉球史小説を期待すると、あまりの軽さについていけないかもしれないけど、そこを逆手にとって黄昏の琉球王朝を舞台にした一人の少女の細腕繁盛記として読んで見てもいいかもしれない。