わたくし率 イン 歯ー、または世界

わたくし率 イン 歯ー、または世界

わたくし率 イン 歯ー、または世界

妄想が重力に耐え切れなくて地に墜ちてしまう。
そこを堪えて物語を紡ぎ出すのが作家の仕事だと常々思ってるんだけど、たまに地に墜ちてしまったからこそ作品になってしまう作家がいる。
花村萬月とか西村賢太とか。
川上未映子はどちらかといえばそちらの方だと、この作品しか読んでないんだけど、そうだと思う。
言葉通りの意味で自意識過剰なんだろうな。自意識がぐるぐる回っている感じ。
プロット重視なのにそこにこだわってるのが恥ずかしいとか思ってたりするんじゃないかと。
地に墜ちてしまう恥ずかしさが作品になってるんじゃないかと。
クライマックスの疾走感と伏線のようにちりばめられたキーワードの回収はほんと凄まじい。
ちょっと追い掛けてみよう。