幽談

幽談 (幽BOOKS)

幽談 (幽BOOKS)

京極版「奇妙な味」もしくは夢十夜

こわいと感じる何かを8つの短編で繋げる試み。
小説として綺麗な「手首を拾う」。ちょっと古臭いところがいい。
実話系怪談「成人」も京極夏彦にしては珍しい。怪談なのにどこか馬鹿馬鹿しい感じがする。
話として面白いのは「十万年」。京極流のボーイミーツガールと言えるかも。
いかにも京極なのは「こわいもの」。幽霊は半分見えるものという解説がオチに上手くつながり、本自体の締めになる。