虚栄の肖像
- 作者: 北森鴻
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/09/29
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
絵画修復師佐月恭壱シリーズ。
「虚栄の肖像」
ピカソを巡るコンゲーム。短い話の割に複雑な騙し合い。ピカソが添え物になったのが少し残念。
「葡萄と乳房」
佐月の過去と藤田嗣治。北森鴻は蘊蓄がやはり楽しい。残された指紋をもっと劇的に使うかと思った。
「秘画師遺聞」
河鍋暁斎の孫弟子とあぶな絵の謎。緊縛図のありえない縛り方という段階である程度の謎は解けたと読者に思わせて、張られたミスリードにまんまと騙す。北森鴻らしい作品。
達観しているようでどこか甘い佐月はピエロ役がよく似合うな。