2008-12-03 妃は船を沈める ★★★ 有栖川有栖 妃は船を沈める作者: 有栖川有栖出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/07/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 41回この商品を含むブログ (89件) を見る中編2編に幕間を挟んだ連作長編。「猿の左手」 名作「猿の手」の異解釈を下敷きに解決編が語られる。サブキャラの朝井小夜子に病的と言われる猿の手の解釈が秀逸。有栖川には珍しいどんでん返しトリックも皮肉が効いている。「残酷な揺り籠」 これぞ有栖川という一編。張り巡らされた伏線が綺麗に回収されていく。 安楽椅子探偵シリーズの「忘却の岬」を知っていればなお楽しい。 ファン注目は高柳真知子巡査長の登場か。