君のための物語

君のための物語 (電撃文庫)

君のための物語 (電撃文庫)

ライトノベルに期待しているのは未知の感動であり破天荒な物語である。と言い切ってしまうと語弊はあるんだけど、だいたいそんなところ。
多少文章が下手くそでも読んだ事のない物語なら大歓迎なわけだ。
で、この小説なんだけど、これは上手い。文章の抑制も効いているし、話の纏め方もきれいだ。
でも未知はないし、破天荒というわけでもない。加えてキャラクターやシチュエーションも流行りではないし、スポコンやラブコメといった定番でもない。正直ライトノベルでこういう話は受けないだろうと思っていた。
しかしこの小説の評価が高いという。
桜庭一樹有川浩を始めとするラノベからの越境作家が話題だけど、この小説が受けるなら逆越境もありだよな。
今のラノベ読者はおそらく貪欲でなんでも吸収してしまう。
文章が下手だと簡単に見捨てられてしまうかも。