鎖された海峡

鎖された海峡

鎖された海峡

逢坂剛渾身のスパイ恋愛小説の第5弾なんだけど、いまひとつ。
次巻への繋ぎみたいな印象。

連合国側のスパイ模様とか、面白そうなエピソードはあるんだけど、ヴァジニアとナオミの鞘当てにページが割かれてて、昭平が二人の間で揺れてるならまだしも、そうでもないから三角関係になりようもなく、興味が湧かない。
もう一人、三角関係を助長しそうな昭平の元妻ペネロペなんだけど、期待しただけに、この扱いはもうちょっとなんとかならなかったものか、と思ってしまう。あっけないというか、もったいないというか。

まあ恋愛部分は一区切り着いたみたい。あとはスパイ部分なんだけど、戦局が決まりだしたんで、ヒトラーの死に際に登場人物達がどう絡んでくるかといったところかな。

キム・フィルビーの底の見えなさが気になる。