1Q84

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

急ぎの仕事の為、タクシー運転手に教えてもらった首都高の非常階段を降りた青豆は、警官が持つ拳銃がオートマチックに変わっているのを見て違和感を感じる。文学賞の一次選考をしていた天吾は、文章は拙いがあとにしんとした手応えが残る応募作品『空気さなぎ』を編集者の松田に最終選考に残すように掛け合っていたが、松田はこの作品を天吾のリライトで最終選考に上げようと言ってきた。現実の1984年とズレたもうひとつの現実1Q84年で、青豆と天吾が出会うための物語。


改めて「小説」の凄さを感じた。読みながら必死に考えて作家が提出した世界を貪り尽くす楽しみ。これはかなり気持ちいい。

信じられなくなった世界をどう生きていくか(死んでいくか?)という話。
主観を肯定するというか、実存が世界を設定するというか。
ボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という言葉を思い出した。

ここで終わっても十分作品になるけど、これは3巻に続かないともったいないや。この先の世界こそが見てみたいよ。