アクセル・ワールド1 黒雪姫の帰還

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

脳と量子無線接続するニューロリンカーが情報端末になっている未来。見かけも中身も冴えないいじめられっ子の中学生、ハルアキは現実逃避のため学内ローカルネットワークの誰もアクセスしないスカッシュゲームの高スコアを叩き出す事で発散していた。学内で唯一話しかけてくれる幼なじみの女の子、チユリと些細な事でケンカした後、いつものようにスカッシュゲームを始めようとすると、自分のスコアを超えた点数の横に黒雪姫と呼ばれている学内でも有名な先輩からの伝言が書かれていた。呼び出されたハルアキは黒雪姫から「ブレイン・バースト」をインストールされ、加速の世界を体感する。しかしそれは加速世界の生き残りを賭けた一千分の一秒の戦いの始まりだった。


いじめられっ子の異世界との契約。電脳空間で展開されるヴァーチャルバトル。一から十まで王道のプロット。失敗すれば、量産作品に埋もれてしまうなか、変化球を使う事なく正統派なライトノベルとして勝ち名乗りを挙げた作品。

ブレイン・バーストに参加できるのが現状では中学生までという設定が秀逸。マクロの世界観を持つ立場がいない場は、より卑近な距離での人間関係だけが重要になるはず。主人公達の一挙一動で世界自体がガラリと変わるわけだ。
続きが楽しみで仕方がない。