彼女について

彼女について

彼女について

双子の姉妹から生まれた従姉弟同士の由美子と昇一。ある日、由美子のもとに昇一が訪れる。彼は叔母の遺言に従って由美子を助けに来たと言うのだ。幼い頃に母と父が起こした事件を辿る旅を始める二人。それは魔女を自認する双子の物語の残骸だった。これはすべてが終わったあとの物語。

読み終えて驚き、あとがきを読んでまた驚いた。
ベースがダリオ・アルジェントの「トラウマ」だとは読んでる最中全く気付かなかったよ。
そういわれると首を切られるエピソードはそうだったのかと思える。
パラレルワールドに言及するところなんかは、よしもとばななにしては珍しい。終盤の展開にしても感性から論理へ向かっているようで、物語への回帰を意識しているのかもしれない。
ここに来て、この作家の目指す先が気になってきた。