少女

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

高校2年の夏休み。由紀と敦子は紫織に自殺した友人の話を聞かされ、人が死ぬところを見たいと強く思う。由紀は小児科病棟の読み聞かせのボランティアで重病の子供に近付こうとし、敦子は老人ホームの掃除のボランティアで老い先短い年寄りに関わろうとするが、なぜか由紀は子供に父親捜しを頼まれ、敦子は同僚の中年男性を殺害予告から護ることになる。やがて接点のなかった二つの事件が予想外のところで繋がる。


これは厭な話。
告白以上に読後感は最悪で、少しでも救済が欲しい人は読めないかも。
それにしても凝った構成で、執拗に登場人物達を交錯させようとする執念みたいな作風は、綾辻世代の新本格を思い出す。
ただ厭な話なのに、深みがないのがすごく気持ち悪い。
人の持つ心の暗さみたいなのは書きたくないのか、と思ってしまう。書かないのか書けないのか。
次の作品で判断しよう。