警官の紋章
- 作者: 佐々木譲
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 単行本
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洞爺湖サミットを一週間後に控えたさなか、若い警察官が拳銃を抱えたまま失踪した。サミット担当大臣にテロリストからの犯行予告もあり、北海道警察は厳戒体制のなか過去に郡司事件で北海道警察の内部告発をした津久井と警務部の長谷川と供に失踪した警官日比野の追跡を命じる。一方、愛知県警からの情報で2年前の自動車盗難事件と自分が関わったおとり捜査を再調査していた佐伯は、郡司事件と絡む大掛かりな事件が存在したのではないかだと疑う。
北海道警察シリーズ3作目。
正直、いい出来だとは思わないんだけどベテランの筆致で最後は納得させられて終わる。
テロリスト対策のSPに任命された小島百合の無意味さ(大人の恋愛話を絡めたかったとしても、なんだこの女? になるんじゃないかな)とか、佐伯のキャラ設定のせいでチームとして纏まれない前作から引き続き登場する刑事達のチョイ役過ぎる感じだとか。
一番難点なのは郡司事件の裏に潜むからくりのネタは早々に割れて、後半まで証拠固めの話が続くところ。さすがに佐々木譲なんで読ませるんだけど、読む必要があるのか疑問。エンターテイメントとしてはどうかと思う。