告白

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今日の終業式で退職が決まっている中学校の担任教師、森口は最後の挨拶でクラスの生徒全員に自分の娘が事故死ではなくここにいる生徒に殺されていた事を告白する。しかしそれは壮絶な復讐の始まりに過ぎなかった。

一気読み。噂には聞いていたけど、ここまで面白いとは思わなかった。
嫌な話なのに、読み終えると意外に爽快な感覚を得るのは、復讐譚というのもあるけれど、機械的な人物造形のせいだろう。一昔前なら(今でもか?)人物が薄っぺらすぎると言われてるんだろうけど、一人称の語りで、この設定なら逆にリアルに思えてくる。これは作者の作戦勝ちだし、現代のエンターテイメントとは何なのかをよくわかっている証拠だと思う。
骨太な作品を読みたい人には合わないかもしれないけど、新人の作品でこれだけ戦略的な小説を書けたというのは素晴らしいと思う。