ラットマン

ラットマン

ラットマン

マチュアロックバンドSundownerのギタリスト姫川は交際している元バンド仲間のひかりから堕胎を告げられているが、本当に自分の子か疑わしく思っていた。しかもひかりの妹であり現バンドメンバーの桂に惹かれている姫川は、ひかりとの関係を続ける気もなく、お腹の子について詮索するつもりもなかった。バンドメンバー内で不審と疑惑が積もるなか、練習をしていたスタジオの倉庫でひかりが死ぬ。それは姫川の心の中に重くのしかかる姉の死と繋がるものだった。

道尾プロット炸裂の傑作ミステリ。
全盛期の折原一を思い出すかのようなどんでん返しの連続で、どんなに疑ってかかっても騙される。
特に今まで道尾作品を追い掛けている読者なら、してやられる事間違いない。
タイトルになった「ラットマン」の挿話がラストに突き刺さる。