魔女の盟約
- 作者: 大沢在昌
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/01/11
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
地獄島から韓国マフィアのボス朴と福岡の暴力団菅原らによって釜山に脱出した水原は名前と顔を変えほとぼりが冷めるのを待っていた。ある日、地獄島で行動を供にした朴の部下金鋭を捜している謎の女性白理に金の居場所を問い詰められる。きな臭い匂いを感じながら朴と菅原の会合に呼ばれた水原は、突然乱入してきた金に遭遇、その場にいた人間が次々殺されるも逃げ出す事に成功し、不安ながらも白理の手を借り上海に脱出する。上海に着き水原が連れて行かれたのは警察だった。そこで白理は自分の事を警察官だと名乗る。
白理の口を借りて語る大沢在昌の中国人論が面白い。そのテーマが新しい犯罪組織がいかにして成立しえるかの説明になっているのがまた上手い。
出来れば前作の魔女の笑窪を読んでほしいところ。後半のご都合主義のオンパレードだと思える展開は前作があってこそなんで。