ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。

社殿建築の学校や底に石を敷き詰め所々に柄杓を置くちょうずと呼ばれる川が流れる十五夜草町に住む高校生・日輪は幼なじみで穂積之宮神社の巫女・いちこに犬扱いされる日々を暮らしている。
夏休み。お見合いと呼ばれる10年振りの町の祭のため輪はいちこに町中を引き回されるなか、アネモイと名乗る少女と出会う。

独特というか無茶苦茶な状況設定と無駄なぐらいの祭礼蘊蓄が相俟って、正直読みづらい話ではあるんだけど、芯は真っ当な青春小説なんで読み終えた後は清々しい。

世界中全ての願いを聞き留めるために合理的な思考を持つようになったという神様の設定は面白いと思う。