MAMA
- 作者: 紅玉いづき,カラス
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/02/10
- メディア: 文庫
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魔術王国サルバドールの落ちこぼれ少女・トトは少年の姿をした人喰いの魔物に耳を奪われる。トトは失った耳の代わりに魔物の聴力を身につけ、一夜にして王国の禁忌となる。道から外れてしまったトトは、王国から逃げるために偶然にも魔物と母子の契約をかわし、ホーイチと名付ける。
文章があまりに上手いんで普通にファンタジーとして読んでしまうけど、異類婚姻譚かつ親子物という結構グロテスクな話になっている。
人喰いの魔物が救われているようにも思えるけど、胎内回帰に過ぎないとすれば、親子愛が恋愛を喰ってしまうという結末に読めてしまう。
後日譚のANDにしても兄妹愛が恋愛を越える話で、作者がこれこそ愛だというのならそこは歪んでいるような気がするな。だからこそタブーを逆手に取ったような感じで面白いんだけど。