ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

見事なヒーロー小説。
すべてが速水を形作る伏線に過ぎないところに感服した。
田口と白鳥の見せ場も使い捨てるように描く作者の心意気が楽しい。

一方で「ナイチンゲールの沈黙」のアンサー小説にもなっていて、医療は何を救うのかという大きな命題を読者に問い掛ける構造になっている。
ぜひ二冊を続けて読んで欲しい。これだけを読むとわからない箇所がいろいろ出てきて納得いかないと思うな。
そういう意味では不親切な小説かも。