あたし彼女

ケータイ小説
斬新さと古臭さがないまぜになって、不思議な読後感がある。
新たな言文一致みたいな感触はあり、その点は書こうとしても、書けるものではないので、評価に値するとは思う。

正直、小説としての奥行きは全くないけど、ポップスを聞いているような読書体験で、文章を楽しむというよりも、流れを楽しむといったところがあった。

ケータイ小説が好きな読者は、音楽を聞くような感じで読んでるのではないかと思う。
ライトノベルを読む人が漫画を読んだり、ゲームをしてるような感じと言ってるのに近いのでは。

センテンスの短さのせいで、何度も同じような文章が現れるのも、歌詞のリフレインだと思えば納得しないでもない。
でも、普通の小説に慣れてる者からすれば、読みづらい事この上ない。

いろいろ言われてる文章だけど、独白形式だからこれはこれでいいんじゃないかな。
30過ぎの会社常務が「もぉ」を使うのは笑ってしまうけど。