魔物

魔物〈上〉

魔物〈上〉

魔物 下

魔物 下

生まれ落ちた時からの悪人は存在するのか?
この普遍的なテーマを、馬鹿らしいほどのエンターテイメントとして、書き上げた大沢在昌らしい作品。

オカルトが絡む伝奇的な物語でも、ロシアマフィアの密売ルートや麻薬取締官の設定はきっちり描かれていて、さすがは大沢在昌といったところ。

悪意のベクトルの基点は憎しみであり、恐怖がその着火剤となるという、大沢エンタメの基本は、こういう伝奇的な作風の方が合うかもしれないな、と思った。