春のオルガン

少女小説

三原順大島弓子らの作品を、少女マンガというならば、少女小説というのは、こういう作品の事を言うのだろう。

いかにも少女小説らしい「春のオルガン」という爽やかタイトルに騙されてはいけない。

家族の不和の原因となっている隣の意地の悪い老人を懲らしめるべく猫の死骸を捜す弟に付き合う姉が、この物語の主人公。

どうしようもない事に対する抵抗と諦念。
少女という不安定な時期だからこそ、受け入れられる毒を含む物語。