蜘蛛の糸

蜘蛛の糸

蜘蛛の糸

「ひといちばい計算高いのに帳尻が合うてへん」人々の悲喜こもごも。

特に彫刻家遠野の連作は、馬鹿馬鹿しく切なくて、ダメっぷりが楽しい。

『尾けた女』は小説講義のようにも読めるうえに、作家の苦労も見えてニヤニヤしながら読めてしまうサービス旺盛な作品。
ユーザー車検の受け方教えます』にしても、マニュアルのパロディ小説で、コントのような展開が続く。

とにかく、軽妙洒脱という四字熟語が似合う短編集。
いやぁ、小説が上手い。