蜘蛛の糸
- 作者: 黒川博行
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/06/20
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
「ひといちばい計算高いのに帳尻が合うてへん」人々の悲喜こもごも。
特に彫刻家遠野の連作は、馬鹿馬鹿しく切なくて、ダメっぷりが楽しい。
『尾けた女』は小説講義のようにも読めるうえに、作家の苦労も見えてニヤニヤしながら読めてしまうサービス旺盛な作品。
『ユーザー車検の受け方教えます』にしても、マニュアルのパロディ小説で、コントのような展開が続く。
とにかく、軽妙洒脱という四字熟語が似合う短編集。
いやぁ、小説が上手い。