ロクメンダイス、 

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切れかけの蛍光灯のように、チラチラと明滅するような青春小説。
言葉遊び的なところは、流水大説を思い起こすけど、あちらはダジャレ本来の躁的なニュアンスが強いが、こちらはどうにも痛々しい。クラスの目立たない子の唐突な冗談じみた、やっちゃった感といえばいいのかな。
でもそこが宙に浮いた妄想の世界を、誰もが感じていた思春期の息詰まった諦念に着地させて、マジックリアリズム的な構造に落としているような気がしたり。

ラストは割と纏めていて、投げっぱなしじゃない。逆に拍子抜けするほど。もっとこんがらがるかと思った。正直、主人公以外の人物の解決篇やエピローグは蛇足な気もする。

幻視的風景と現実的な世界の書き分けをもっとボーダーレスにして、主人公視点のみで、書いていれば、エンタメからは離れるけど、ラノベ発信の青春蹉跌小説の進化系が見れたかも。