辛い飴

ジャズと日常の謎7編。

「苦い水」
嘘くさいけどいい話。才能ある嫌われ者は絵になる。

「酸っぱい酒」
無茶な話なんだけど一番本格らしい話かも。ブルースが聴きたくなった。

「甘い土」
田中啓文の真骨頂。ジャズと郷土伝奇のセッションとは!

「辛い飴」
本格でありながらジャズ小説としても傑作。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブを思い出した。じいちゃん、カッコイイ。

「塩っぱい球」
急に野球で驚く。ベーブルースネタでこのトリックを使うとは。

「渋い夢」
またもや無茶トリック。いわゆる消失ものだけど、伏線が効いている。

「淡泊な毒」
某プロデューサーを思い出した。そっちはポップスだけど。幽霊の声が聞こえる曲というネタは本格と親和性がいいにも係わらず、あまり読んだことがないな。