カッティング-Case of Tomoe-

カッティング ~Case of Tomoe~ (HJ文庫)

カッティング ~Case of Tomoe~ (HJ文庫)

SFのガジェットがなければ、普通のイタイ系の青春小説だよな、と読んでいた。
すごく真っ当な展開で、謎めいた義理の妹の過去が打ち明けられると、既視感が連続して続く。
謎の組織が出てくるが、1巻を承けているので、それほど意外性もなく、すんなりと読みすすめる。

何事もなく終わるかな、と思いきゃ、ラストエピソード。

これは気持ち悪い。

傍目から見ると、普通のエンディングなんだけど、この胎内回帰ってどうよ?

あとがきで作者が偽ジュブナイルと言ってたけど、まさにそう。

円環の中で壊死していくような世界感だと思う。

正直、着地点をどこに持っていきたいのか、わからないな。

そういう意味で気になる作品。